好きなものから自己分析する

自己分析の本やシートに「好きなものから考えよう」と書いてあって、好きなものの欄はすぐ埋まった。止まるのは、その次の「なぜ好きか」の欄です。

止まるのは、あなたの掘り方が浅いからではありません。聞かれている順番が、逆になっているからです。

「なぜ好きか」には、あとから作った答えしか出てこない

理由を聞かれると、人はそれらしい言葉をすぐに用意できます。「世界観が好き」「キャラクターが魅力的」「努力する姿に励まされた」。どれも嘘ではありません。ただ、同じ作品を好きな何万人が、同じ言葉を書きます。

エントリーシートで差がつかないのはそのためです。好きな理由を書こうとするほど、誰が書いても同じ文章に近づいていく。書けないのではなく、書いたものが自分の言葉に見えないから、手が止まります。

書くのは理由ではなく、止まった一点

作品名やキャラクター名は入口にすぎません。差が出るのは、その作品の、どの場面で手が止まったかのほうです。

同じNARUTOが好きな人でも、自来也の最期で動けなくなった人と、シカマルが立ち上がる場面で泣いた人とでは、見ているものが違います。好きな作品は同じでも、止まった一点は同じではありません。自分を掘る材料になるのは、こちらです。

場面を集めるときの、3つの決まり

  • 作品をまたいで、3つ集める。アニメでもドラマでも漫画でも、部活の試合で見た光景でもかまいません
  • 場面は一文で書く。「感動した」「かっこよかった」のような言葉は使わず、起きたことだけを書く
  • 理由の欄は、空けたままにしておく

3つめがいちばん大事です。理由を書こうとした瞬間に、また誰でも書ける言葉に戻ってしまいます。思い出せた場面が1つあれば、それで足ります。

並べると、理由のほうが先に出てくる

作品も人物もばらばらな3つの場面を並べてみると、起きていることが妙に似ている、ということがよくあります。誰にも気づかれないまま何かを続けていた。自分より先に、誰かを行かせた。言うべきことを、最後まで言わなかった。

その重なりが、あなたが言われてもいないのに動いてしまうものの形です。好きな理由として考えていたときには出てこなかった言葉が、場面を並べたあとには、向こうから出てきます。

志望動機までは、ここからもう一段ある

正直に書いておくと、ここで見つかるのは志望動機そのものではありません。見つかるのは、その芯の手前までです。芯と、その会社でする仕事を結ぶのは、別の作業になります。

ただ、芯を持たないまま書いた志望動機は、「それはなぜですか」をもう一度重ねて聞かれると、言葉が続かなくなります。先に芯を掘っておくのは、そのためです。

一人で掘るには、限界がある

最後にひとつ、やっかいな事実があります。自分の場面に共通しているものは、自分では見えにくい。自分にとっては当たり前すぎて、共通点だと気づけないからです。

だから、読む側を外に置くのが近道です。場面を差し出して、共通点は外の目に読んでもらう。あなたがするのは、どこで止まったかを思い出すところまでで、そこから先を言葉にするのは、読む側の仕事です。

この話の材料になった場面

どの場面で息を止めたかということが、あなたの何を指しているか。
そこが分かれるところに、あなたの性格が出ます。

キャラを選んで診断する

ほかの読みもの