TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第3期 第59話「何をしてんだよ」(仮免試験の救助演習で、敵役のギャングオルカを前に、轟と夜嵐イナサが因縁から衝突する場面)の場面に触れます。ネタバレを含みます。
ヒロアカの仮免試験で、轟は救助演習の現場に立っています。敵役として現れたプロヒーローを前に、彼は士傑高校の夜嵐イナサと組むはずでした。ところが二人は、助けを待つ人がいるその場所で、互いにぶつかります。
この場面を挙げる人でも、止まった位置は同じではありません。轟の側で止まる人もいれば、夜嵐の側で止まる人もいます。
二人の衝突は、よく「相性の悪いライバル」として語られます。見た目にはその通りです。
けれど夜嵐が見ていたのは、目の前の轟だけではありませんでした。彼は轟の向こうに、父親のエンデヴァーを見ていました。 以前に向けられた冷たい目の記憶が、そのまま轟に重なっています。轟から見れば、自分がまだ折り合いのついていない父の影で、先に嫌われていたことになります。この場面に止まる人は、自分ではなく、自分の家族の顔で判断された経験に、覚えがあるのかもしれません。
二人とも、救助を軽く見ていたわけではありません。それぞれが自分なりの正しさを持って、目の前の敵に向かっていました。
ぶつかったのは、片方が間違っていたからではなく、正しさが二つあったからです。 二つの正しさが譲り合わないとき、いちばん困るのは当人たちではなく、助けを待っている側です。この場面で胸が苦しくなる人は、言い争いそのものより、その間に置き去りにされていた人のほうに目が行く人です。
二人が自分たちのしていることに気づくのは、出久が割って入ってからです。自分で気づいたのではなく、外から言われて、初めて足元が見えました。
気づいたあとで、二人は言い争いをやめ、力を合わせる側に回ります。 謝り合ってから組むのではなく、組みながら考え直していく。間違えたあとの切り替えの速さに惹かれる人と、そもそも間違えてしまう不器用さに惹かれる人がいます。轟を好きな人の中には、完璧な彼より、こうしてつまずく彼のほうを覚えている人が少なくありません。
同じ救助演習の場面を思い出しても、残っている一点は人によって違います。
夜嵐が轟の向こうに父を見ていたことで止まる人。二人が現場で言い争った瞬間で止まる人。出久が割って入った一言で止まる人。気づいたあとに二人が力を合わせたところで止まる人。
作品の評価が分かれているのではなく、ふだん何を見て生きている人かが分かれているだけです。 理由を説明する必要はありません。浮かんだ一場面が、そのままあなたの答えになります。
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この場面で息を止めたということが、あなたの何を指しているか。
そこが分かれるところに、あなたの性格が出ます。
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