助けた手か、助けられた手か

僕のヒーローアカデミアは、誰かに憧れるところから動き出す物語です。ただ、どの一瞬に胸をつかまれたかは、読む人ごとに分かれます。誰かの背中を追いかけていた時間の長さも、人によってまるで違います。

とっさに体が先に動いた場面なのか、助けられて初めて涙が出た場面なのか。この記事では場面を選び、その人がなぜそこで動けたのかを積み重ねから読み解いていきます。狙いはひとつ、「あなたが憧れたのはどちらの手だったか」を最後に思い出してもらうことです。

説明より先に、足が出ている

この作品の主人公は、理屈を並べる前に動いてしまう人物として描かれます。読む側にとっても、なぜそこで動けたのかが分かる場面より、分からないまま心が先に反応する場面のほうが長く残ります。理由はあとから追いつけばいいのです。

せりふからではなく、それまでの積み重ねを丁寧にたどって読み直すと、同じ場面でも見え方がまるで変わってきます。ここではその積み重ねのほうに時間を使います。

憧れは、いつか入れ替わる

誰かに憧れるだけで終わる話なら、ここまで長くは続きません。憧れていた側が、気づけば誰かに憧れられる側へ回っている。その入れ替わりの瞬間こそ、各場面の核にあります。当人が気づくのは、たいてい少し遅れてからです。

あなたが心を動かされたのは、助けに入った側でしたか、助けられた側でしたか。答えを言葉にできなくても、頭の中に一人の姿が浮かんでいれば、それで話は成立します。

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<!--裏取り: https://heroaca.com/episodes/2nd/ep23/ / TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第2期、第23話「轟焦凍:オリジン」(2017年6月3日放送)。あらすじに「むかし母からもらった言葉を思い出し、ついに轟は左手の“個性”を解放する」と明記-->

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この回で、あなたが息を止めたのはどの場面か。
そこが分かれるところに、あなたの性格が出ます。

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