クラピカは、強くなるために自分を縛った

ヨークシンシティ編(クラピカが、自分の鎖に「幻影旅団以外に使えば命を落とす」という制約をかけていたと明かされる場面)の場面に触れます。ネタバレを含みます。

HUNTER×HUNTERのクラピカには、自分の鎖に厳しい制約をかけていたことが明かされる場面があります。幻影旅団以外に使えば、自分が命を落とす。 その条件と引き換えに、彼は短い時間で戦える力を手にしていました。

ただ、この場面を挙げる人でも、止まった位置は同じではありません。制約の重さで止まる人もいれば、それを誰にも頼らず一人で決めていたことで止まる人もいます。

強さが欲しかったから、縛ったのではない

この制約は、よく「強さと引き換えのリスク」として語られます。能力の仕組みとしては、その通りです。

けれど、クラピカがこの条件で手放したのは、安全だけではありませんでした。鎖を別の目的に使う自由そのものを、自分で先に捨てています。 迷いが入り込む余地を、最初から塞いでおく。この場面に止まる人は、強くなりたかったというより、引き返せない形にしておかないと進めなかった時期に、覚えがあるのかもしれません。

一人で決めて、一人で背負う

制約をかけると決めたのは、クラピカ自身です。誰かに相談して決めたわけではありません。

大事なことほど一人で決めて、決めたあとで周りに知らせる人がいます。 周りを巻き込みたくないのか、止められるのが怖いのか、理由は一つではありません。この場面で胸が動く人は、決めた本人の覚悟より、知らされた側がどんな顔をしたかのほうに、目が行く人かもしれません。

目的が、本人より大きくなっていく

目的のために自分を縛る人は、ある時点から、目的のほうが本人より大きくなっていきます。眠るときも食べるときも、その一点から目を離せなくなる。

目的に全部を差し出している人を見て、かっこいいと思う人と、心配になる人がいます。 どちらに寄るかで、あなたが誰かを好きになるときの距離の取り方が分かれます。クラピカに惹かれる人の中には、彼の強さより、その危うさのほうを見ていた人が少なくありません。

あなたが止まったのは、どこでしたか

同じ制約の場面を思い出しても、残っている一点は人によって違います。

命を賭けた条件の重さで止まる人。それを一人で決めていたことで止まる人。目的に全部を差し出す姿のかっこよさで止まる人。その危うさが心配で止まる人。

作品の評価が分かれているのではなく、ふだん何を見て生きている人かが分かれているだけです。 理由を説明する必要はありません。浮かんだ一場面が、そのままあなたの答えになります。

この場面で息を止めたということが、あなたの何を指しているか。
そこが分かれるところに、あなたの性格が出ます。

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