クラピカは、理由を聞かれて一度黙った

ハンター試験編の始まり(試験会場へ向かう船の上で、ハンターを目指す理由を問われる場面)の場面に触れます。ネタバレを含みます。

HUNTER×HUNTERの始まりで、クラピカは試験会場へ向かう船に乗っています。そこで、なぜハンターになりたいのかを問われます。この場面を覚えている人でも、止まった位置は同じではありません。

答えを拒んだ一瞬で止まる人もいれば、一族の名前を出されて表情が変わったところで止まる人もいます。

隠したかったから、黙ったのではない

クラピカは、理由を聞かれてすぐには答えません。ここはよく「秘密主義のクールなキャラ」の場面として語られます。そう見えるのは自然です。

けれど、彼が抱えていたのは、他人に軽く話せる種類の理由ではありませんでした。口に出した瞬間に、相手の受け取り方しだいで汚されてしまうものを持っている人は、まず黙ります。この場面に止まる人は、大事なものほど簡単には口にしないという順番に、覚えがあるのかもしれません。

自分のことでは怒らない人が、一族のことで怒る

クラピカは、自分が何を言われても大きくは崩れません。崩れるのは、一族のことに触れられたときです。

自分への侮辱より、自分が背負っている人たちへの侮辱のほうに体が反応する人がいます。 自分の評価には無頓着なのに、家族や仲間や、もういない誰かのことになると引けなくなる。この場面で胸が動く人は、その線がどこに引かれているかを、自分の中にも持っている人です。

言い争った相手と、同じ方向に手を伸ばす

船の上で言い争ったレオリオと、クラピカはこのあと、同じ方向に手を伸ばすことになります。嵐の中で、仲直りの言葉より先に、体が同じものをつかみにいきます。

分かり合ってから一緒に動くのではなく、一緒に動いたあとで分かり合う関係があります。 理由を言わなかった少年が、理由を聞かないまま隣にいてくれる相手を得る。この始まりに止まる人は、言葉より先に並んだ誰かに、救われてきたのかもしれません。

あなたが止まったのは、どこでしたか

同じ船の場面を思い出しても、残っている一点は人によって違います。

答えを拒んだ沈黙で止まる人。一族の名前で表情が変わった瞬間で止まる人。嵐の中で伸ばされた手で止まる人。言い争っていた二人が並んでいたことで止まる人。

作品の評価が分かれているのではなく、ふだん何を見て生きている人かが分かれているだけです。 理由を説明する必要はありません。浮かんだ一場面が、そのままあなたの答えになります。

この場面で息を止めたということが、あなたの何を指しているか。
そこが分かれるところに、あなたの性格が出ます。

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