第1話「終わりと始まり」(部員が足りない中で日向が人を集め、中学で一度きりの公式戦に出て、影山のチームに大きく負ける場面。始まりの前提の範囲)の場面に触れます。ネタバレを含みます。
ハイキュー!!の第1話で、中学生の日向翔陽には、バレー部の仲間がほとんどいません。それでも人を集めて、中学で一度きりの公式戦に出ます。相手は「コート上の王様」と呼ばれる影山のチームでした。結果は大きな負けでした。
この場面を挙げる人でも、止まった位置は同じではありません。負けた悔しさで止まる人もいれば、そもそも試合に出るまでの日向の粘りで止まる人もいます。
この場面はよく「主人公とライバルの出会い」として語られます。物語の始まりとしては、その通りです。
けれど、日向は勝てる見込みがあったから試合に出たわけではありません。ただ、コートに立ちたかった。 その一度のために、足りない人数を一人で集めています。この場面に止まる人は、条件がそろわないまま、それでも始めた覚えがあるのかもしれません。
練習相手も、指導者も、十分な仲間もいない。それでも日向は、できる場所を探して跳び続けてきました。
環境が足りないことと、やりたい気持ちが足りないことは別の話です。 この場面で胸が動く人は、技術の未熟さより、そこまでして続けてきた時間のほうに目が行く人です。
大きく負けた相手のことを、日向は忘れません。その悔しさが、次にどこへ行くかを決めていきます。
本気で負けた相手は、その後の人生の物差しになることがあります。 この始まりに止まる人は、誰かに完敗したことで、自分の進む方向が決まった経験がある人かもしれません。
同じ始まりの場面を思い出しても、残っている一点は人によって違います。
部員を一人ずつ集めた日向の姿で止まる人。初めての公式戦のコートで止まる人。完敗した直後の悔しさで止まる人。王様と呼ばれた相手の強さで止まる人。
作品の評価が分かれているのではなく、ふだん何を見て生きている人かが分かれているだけです。 理由を説明する必要はありません。浮かんだ一場面が、そのままあなたの答えになります。
この場面で息を止めたということが、あなたの何を指しているか。
そこが分かれるところに、あなたの性格が出ます。
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