第1話「新生」(天才的な頭脳を持ち退屈していた高校生・夜神月が、死神が落とした「名前を書かれた人間は死ぬ」ノートを拾い、半信半疑のまま試して本物だと知る場面。始まりの前提の範囲)の場面に触れます。ネタバレを含みます。
DEATH NOTEの第1話で、夜神月は何でもできてしまう高校生です。成績は優秀で、そのぶん世界に退屈しています。そこへ、死神が落とした一冊のノートが現れます。名前を書かれた人間は死ぬ、と書かれたノートでした。
この場面を挙げる人でも、止まった位置は同じではありません。ノートを拾う瞬間で止まる人もいれば、試したあとに本物だと知る瞬間で止まる人もいます。
この場面はよく「天才が悪に目覚めた始まり」として語られます。物語の筋としては、そう読めます。
けれど、ノートを拾った時点の月は、世界に退屈していた一人の高校生です。できすぎる人の退屈が、どこへ向かうか。 この場面に止まる人は、何でもこなせるのに満たされない感覚を知っているのかもしれません。
ノートの力を、月は最初から信じていたわけではありません。それでも、確かめずにはいられませんでした。
確かめたいという気持ちは、ときに一線を越える力になります。 この場面で胸が動く人は、月の悪よりも、好奇心が止まらなくなる瞬間に目が行く人です。
この後、月は自分の考える正しさで世界を変えようとしていきます。その手前には、この世界はおかしいという強い違和感がありました。
世の中の理不尽に、自分なら何かできると思ったことがある人がいます。 この始まりに止まる人は、その気持ちの危うさと強さの両方を知っている人かもしれません。
同じ始まりの場面を思い出しても、残っている一点は人によって違います。
退屈そうな教室の月で止まる人。校庭に落ちたノートで止まる人。半信半疑で試す瞬間で止まる人。本物だと分かったときの月の顔で止まる人。
作品の評価が分かれているのではなく、ふだん何を見て生きている人かが分かれているだけです。 理由を説明する必要はありません。浮かんだ一場面が、そのままあなたの答えになります。
この場面で息を止めたということが、あなたの何を指しているか。
そこが分かれるところに、あなたの性格が出ます。
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