自己分析で、
何も書けなかった人へ

自己分析のやり方を調べて、書かれていたとおりにやってみた。自分史を作りかけて止まった。モチベーショングラフの線が引けなかった。シートの空欄がそのまま残っている。——ここまで来た人に、もう一度「書きましょう」と言うページにはしません。

「書けない」のは、たぶんあなたのせいではない

自己分析ができない理由として、よく「自己肯定感が低いから」「目的がわかっていないから」と説明されます。でも、書けなかった人の多くは、目的もやり方もちゃんと調べています。調べたうえで止まっている。

止まる場所には、もっと単純な理由があります。よく紹介される自己分析のやり方は、ぜんぶ「自分で自分を分析する」形をしているからです。

分析する側と、される側が、同じ頭の中にいる。自分のことを思い出しながら、同時にそれを評価しなければならない。これは、本当はかなり無理のある姿勢です。

よくある自己分析は、3つのことを同時に要求している

① 思い出す

自分史も、モチベーショングラフも、「振り返るべき経験がもう手元にある人」の道具です。思い出せるエピソードが並んでいる人には強い。まだ何も並んでいない人には、白紙が増えるだけになります。

② 言葉にする

心が動いた瞬間には、たいてい名前が付いていません。なぜあの場面が忘れられないのか、その理由を言葉にできるなら、そもそも自己分析にそれほど困っていないはずです。

③ 評価する

そして最後に「強み」「価値観」という、結論の形で書くことを求められます。思い出して、言葉にして、評価する。この3つを一度にやらせる方法が、たまたま自分に合わなかった。それだけのことです。

順番を入れ替える

思いつかないなら、すでに選び終わっているものから始めるほうが早い。

あなたが好きなアニメやドラマのキャラクターは、理由を説明してから好きになったわけではないはずです。気がついたら目が離せなかった。あの場面だけ何度も見返してしまう。名前を見るだけで少し落ち着く。理由を言えないまま選んだ——だからこそ、そこには自己申告の混じらない情報が残っています。

質問に答える形式の診断では、答える前に「自分はこういう人間だ」と決める必要があります。考えて答えた時点で、答えは自己申告になる。好きなキャラクターを選ぶことには、それが起こりません。選ぶのに、考えなくていいからです。

やってみる — 考えなくていい手順

やることは1つだけです。好きなキャラクターを選ぶ。

そのあとに短い質問が1問だけ出ますが、それも「最初に浮かんだほう」で構いません。迷ったら、迷ったこと自体が材料になります。読み解きはこちらでやります。あなたに、自分を説明してもらうことはしません。

登録もいりません。うまく言葉にできる自信がなくても、そこは要求されない設計になっています。

それでも進まないときの、3つの行き止まり

「大したことない経験しかない」と思ってしまう

自己分析が止まる理由でいちばん多いのがこれです。でも、探しているのは実績ではなく、心が動いた場所です。胸が詰まった場面に、規模は関係ありません。

診断ツールの質問に、うまく答えられない

「あなたは計画的なほうですか」に、正直に答えられる人はそう多くありません。そのときの気分でも、思い出す場面でも変わるからです。答えられないのは、あなたが曖昧だからではなく、質問の形が曖昧だからです。

就活が終わっても、自分のことがわからない

自己分析は就活の道具として語られがちですが、本当に困るのは、締め切りが終わったあとに残る「で、自分は何なんだろう」のほうかもしれません。期限がないぶん、こちらは何度でも、思い出した順にやり直せます。

好きな作品から探す

キャラクターの名前がすぐ出てこないときは、作品から入るほうが早いことがあります。